PRP療法が膝の痛みに効く理由とは?【効果・メリット・デメリット】

PRP治療は手術に替わる新しい治療法!

膝の痛みは、多くの人にとって頭を悩ませる症状です。

特に中高年以上になると、相当な割合で膝の軟骨がすり減って痛みが出る、変形性膝関節症の状態になっていることが分かっています。

その治療法は主に、保存療法と手術が主流でした。

しかし近年、その中間に位置する再生医療が整形外科領域でも盛んに使用されるようになってきました!

今回はその再生医療の中でも特に、PRP治療(多血小板療法)について、その効果とメリットやデメリットについてお話ししていきます!

PRP治療とは何なのか?

整形外科で扱う再生医療は主に脂肪幹細胞治療とPRP治療があります。

脂肪幹細胞治療については別の機会にお話ししましょう!

PRP治療は、Platelet-Rich-Plasmaの略称で、日本語で言うと多血小板療法のことを指します。

簡単に言うと、血液中の血小板をたくさん集めて、濃くした液体のことをPRPと言います。

血小板にはカサブタを作って出血を止める効果が有名ですが、炎症を抑えたり、傷や損傷した組織を修復するために必要な成長因子を分泌する役割もあります。

その組織を炎症を抑える力、組織を修復する力を膝の痛みの治療に活かそうというのが、このPRP治療と言うわけですね!

PRP治療が膝の痛みを和らげる仕組み

PRPは薬ではなく、自分の細胞を利用する「自己治癒力」を最大化する治療です。

痛みの原因がある膝関節の中にPRPを投与することにより、辛い膝の痛みを改善することができます。

「血小板」とそれから分泌される「成長因子」がPRP治療が膝の痛みを改善するカギです!

皮膚を怪我すると、血小板によって血が止まり、成長因子のおかげで傷が綺麗に治るわけです。

傷の修復や炎症を抑制する「成長因子」の働きにより、膝の状態を良い状態に改善します!

【PRPに含まれる成長因子の一例】
・TGF-β 軟骨細胞や骨芽細胞の増加
・bFGF/EGF 損傷した組織や筋細胞の修復・調整
・CTGF 軟骨の修復や線維化
・VEGF 血管の緊張や炎症を調整する細胞の増加
・PDGFa-b 組織修復に関わる細胞の分裂を促進

PRP療法の効果・適応

PRP治療は、自分の体の中に備わっている自己修復力を強める治療法ですので、いわゆる一般的に行われている痛み止め💊やヒアルロン酸注射💉で症状の改善が見られなかった方に対して、効果が期待できます!

通常の血液に比べてPRPには血小板が約5倍程度まで濃度が増えており、その分だけ自己修復力が増し、痛みや組織の修復にプラスに働いていると言われています!

実際にヒアルロン酸注射と比較すると、変形性膝関節症に対してPRP治療をしたほうが、痛みの改善につながったという論文が世界中で年々次々と報告されてきています。

日本国内でも2014年に再生医療法が制定されてから、保険診療外ではあるものの治療が全国各地で行われるようになり、治療1年後にPRPの治療効果が十分に発揮された例が59%に及んだといった報告もなされています。

適応となる疾患について

膝の疾患では、変形性膝関節症、半月板損傷、膝蓋腱炎などの筋腱の炎症、肉離れなどのスポーツ外傷に適応があります。

特に初期から中程度の変形性関節症、手術を必要としない程度の半月板損傷に対しては非常にいい適応です!

治療の流れと検査について

PRP治療は自分の血液を利用した治療ですので、採血は必須です。

使用する製品によって多少変わりますが、片膝1回あたり約50mlの血液を採取します。

人工関節手術のような手術や、入院を必要とする検査などはありませんのでご安心ください。

APS治療、PRP治療は採血から1−2時間程度で加工が終了し、注射まで完了します。

※PDF-FD治療の場合は採血してから、製剤が完成するまで3週間の時間が必要です。

HIVB型肝炎C型肝炎などの検査で陽性の場合は、治療ができない可能性があるので、事前申告をお願いします。血液採取時に血液検査を同時に行う場合もあります。

活動性の悪性腫瘍がある場合は、PRPに癌細胞が紛れ込み関節の中に転移してしまうリスクもあるためPRP治療は推奨できません。

また、関節リウマチで治療中の方血小板に関わる病気がある方も十分な治療効果が望めない可能性があるのでPRP治療は推奨しておりません。

効果が出るまでの期間について

当院で治療を受けられる患者様の例だと、注射をしてから早いと1週間程度で効果が出始めます。

1週間〜4週間の間で効果がでる場合が多いので、治療開始後しばらくは様子を見ましょう。

その間にリハビリテーションを併用すると治療効果が良い場合が多いので、当院ではPRP治療介入直後からリハビリテーションを併用して取り組んでもらうようにしています。

PRP療法のメリット・デメリット

PRP治療は自分自身の細胞を使うため、アレルギーや重篤な副作用のリスクはありません。

また、入院や手術の必要もないため、メリットばかりのように思われますが、実際にはデメリットも存在します。

ここではPRP治療のメリット・デメリットについてお話ししていきます。

メリット

・標準治療で改善しなかった痛みに効果的

従来の保険診療のヒアルロン酸注射に対して、痛みを抑える効果が期待できる。

・合併症やアレルギーのリスクが低い

使用するのは自分の血液なので、安全性は非常に高い。

・手術や入院が不要

最短1日で治療が完了するので、日帰りでの治療が可能。

デメリット

・保険適応外の治療

現在、医療保険制度の対象にはなっていないため、10割全額自己負担の治療となっている。

・比較的新しい治療であること

日本では2014年の再生医療法の成立とともに普及し始めたが、国内での臨床経験は10年程度であること。

・治療効果に個人差がある

これは人工関節や従来の保存治療でも同じことが言えますが、治療効果は個人によって異なる傾向にあります。

副作用の心配は一切ないのか?

前述の通り、PRP治療は自分の血液を使った治療ですので、アレルギー反応などは基本的にはありません。

ヒアルロン酸の注射と比較すると、注射直後に一時的に膝が熱い感じ、軽い痛みが出る場合があります

しかし副作用と呼べるほど痛みがひどい場合はほとんどなく、出たとしても一時的な熱感のような症状ですので、過剰に恐れるほどではないと考えています。

膝関節内に針を刺すわけですから、一般的な「注射」の手技に起こりうる副作用、内出血や刺入部位の痛み、感染のリスクなどは全くないわけではありませんが、手術や他の侵襲の高い処置と比較すると、安全性に関してはピカイチに高いと考えます。

痛みに考慮し、なるべく細い針で対応したり、超音波を使って針先が関節腔内に確実にあることを確認した上で治療を行なってますので、ご安心ください!

PDF-FD治療はPRP治療と何が違うのか?

当院では自己血液由来血小板から作るPRP治療には複数のメニューを用意しておりますが、その中の1つにPDF-FD治療があります。

PDF-FDとは、Platelet Derived Factor- Freeze Dry の略で簡単にいうと、血小板の濃縮液であるPRPを作り、血小板から分泌される「成長因子」を増幅し、凍結乾燥させたPRP由来製品です。

PRPには血小板や、その他「生細胞」がたくさん含まれていますが、PDF-FDにはそのような細胞は凍結乾燥の過程で不活化されるため、生細胞が含まれておらず、「無細胞再生医療」と呼んだりします。

症状や部位によってはAPSやPRP治療よりもPDF-FD治療の方がより適切な場合もありますので、医師の診察を受けてまずは相談をしてくださいね。

従来の治療法では改善しきらない症状に、新たな選択肢

従来の治療法では、保存療法で改善しない痛みは、痛みと付き合うか、人工関節手術を選択するしかありませんでした。

PRP治療をはじめとする再生医療の台頭によって、第3の選択肢が増えました。

とはいえ、再生医療いえど他の治療と同様に万能薬ではありません。

効果が出やすい症例、出にくい症例、もちろんあります。

まずは専門医に相談いただき、適応について意見を求めてみてください。

当院でも随時相談受けつけておりますので、少しでも気になることがあれば、ご相談ください!

再生医療に関して、当院では月一回、無料の説明会を行なっておりますので、こちらも上手く活用されることをお勧めします👇

ひざ関節症クリニック|全国11拠点|治療実績14,000例|整形外科専門医21名所属