皆様、お疲れ様です!SBC整形外科クリニックの沼倉裕堅です!
本日は当グループ人気の治療、「PDF-FD」について、いい報告が発表されましたので紹介していきます
「変形性膝関節症に対する濃縮血小板由来成長因子注射と濃縮血漿由来成長因子注射の4週後の治療成績比較 」戸田 佳孝 他 整形・災害外科 68巻3号(2025年3月発行)
PDF-FDとは何なのかというと、“Plasma Derived Factor-Freeze Dry” の頭文字、血漿由来の成長因子の高濃度に濃縮した治療法です。

もともと、PFC-FDと言って“Platelet-derived Factor Concentrate Freeze Dry” 血小板由来の成長因子をフリーズドライ加工した治療が2010年代前半から、日本の変形性膝関節症の再生医療分野で広く普及するようなり、整形外科再生医療分野の黎明期を牽引してきました。
2020年代に入り、既存のPFC-FD療法から、さらに治療効果を高めた製品として、PDF-FD療法が登場しました。
PDF-FDは血小板由来のみならず、血漿に含まれる抗炎症作用をもったサイトカインを生かし、既存のPFC-FD療法に比べて、より治療効果が高い見込みがありました。
今回はその結果について初めての発表になります!
結論:PDF-FD群の「痛み改善」が有意に高かった。

VASとは痛みの程度を客観的に評価する仕組みで、数値が低ければ低いほど「痛みが少ない」ことを意味します。
今回、PDF-FD群27名、PFC-FD群24名での比較で、PDF-FD群が「治療後膝の痛みに関するVAS」は有意に小さく、「膝の痛みに関するVAS改善率」については有意に大きいことが示されました。
PDF-FDの治療効果は「IL-1Ra」がポイント
IL-1Raは、サイトカインの一種であるインターロイキン-1(IL-1)の働きを阻害する伝達因子です。
IL-1には炎症を引き起こす体の中のシグナル伝達因子で、IL-1Raはその受容体への結合を妨げることで、炎症反応を抑制します。

例えばこのIL-1Raを利用した治療には、関節リウマチの治療薬である「アナキンラ(Anakinra)」は、IL-1Raの遺伝子組み換え製剤ですね。

アナキンラは遺伝子組み換え製剤ではありますが、自己細胞由来のIL-1Ra作用を治療に生かすことができるようになったのがPDF-FDですので、より低リスクで使えるようになりましたし、経済的面でもかなり使いやすくなりますね。
SBC整形外科クリニックでもPDF-FDの扱いがあります!
SBC整形外科クリニック、西新宿整形外科クリニックでもPDF-FDの扱いがあります。
膝関節だけでなく、肩や肘、腱鞘炎やCM関節症にも適応があります。
この治療に興味ある方は、ぜひSBC整形外科クリニックへの問い合わせをお願いします!
これからも整形外科に関する情報発信を続けていきますので、皆様よろしくお願いします!
それでは!
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