手指骨(末節骨、中節骨、基節骨、中手骨)の骨折について整形外科医が解説!

今回は、手指骨(末節骨、中節骨、基節骨、中手骨)の骨折の原因、症状、検査、診断、治療方法、そして予防策をご紹介します!

手の指の骨の骨折は怪我の中での非常に頻度が多いです!

今回はそんな指の骨の骨折について、わかりやすく説明していきます!

手指骨の構造とは?

末節骨:指先の骨。

中節骨:指の中間部に位置する骨(親指には存在しません)。

基節骨:指の基部にある骨。

中手骨:手の甲に位置する骨で、指の骨を支えています。

これらの骨は日常生活で頻繁に使用されるため、怪我をしやすい部分です。

手指骨骨折の原因

手指骨骨折の原因はさまざまですが、代表的な原因はこのようなものがあります。

1. 転倒:転んだ際に手をついて受傷。

2. スポーツ事故:ボールが指に当たる、強い衝撃が指に加わったとき。

3. 重い物を扱う作業中の事故:工具や機械による圧迫や挟み込み。

4. 日常生活での不注意:ドアに指を挟む、家具にぶつけるなど。

骨折時の症状

手指骨が骨折した場合、このような症状が現れます。

痛み:骨折部位を動かすと強烈な痛みを感じます。

腫れ:骨折箇所が腫れます。熱を持ったりします。

変形:ひびが入るだけでなく、骨折箇所で骨が大きくずれ込むと、変形します。

内出血:皮下にアザができます。当日よりも翌日以降の方が顕著かもしれません。

動かせない:骨折の程度によっては、指を動かせないことも。

検査と診断方法

骨折が疑われる場合、レントゲン検査が基本です。

1. 視診・触診:見た目、圧痛部位を確認します。基本的に骨折は腫れるし押すと痛いので。

2. X線検査ほとんどの骨折の有無はレントゲンで確認可能。

3. CT・MRI:レントゲン検査ではわからない程度の骨折を疑う場合、撮影することがあります。

治療方針が大きく変わるため、骨折の可能性がある場合はレントゲン検査は必須です!

治療方法

手指骨骨折の治療、固定方法は骨折の程度や箇所によって異なります。

保存療法の場合は骨折部周辺に仮骨形成(かこつ)が確認されることで治癒が進んでいるかの判定をします。

1. 保存療法

固定:ギプスやスプリントで骨を安定させます。骨折の程度により3〜6週間程度の固定になります。

 ・アルフェンスシーネ固定

 ・ナックルキャスト固定

テーピング:軽度の骨折に有効。隣接する指と固定する「バディテープ」を使用。

薬物療法:痛みや炎症を抑えるための鎮痛剤や消炎薬。

→ロキソプロフェンやカロナールなど。

2. 外科的療法

骨が大きくずれたり、複雑な骨折の場合には手術が必要になることがあります。

経皮的鋼線固定術:骨を正しい位置に戻し、金属製ピンで固定する方法。

観血的骨接合術・プレート固定術:骨を金属製プレートとスクリューで固定する手術。

骨折の予防策

手指骨骨折を予防するためには、次のような対策が効果的です:

1. スポーツでの防具着用:特に、高リスクなスポーツでは必須。ラグビーや野球など。

2. 日常生活の注意:転びやすい場所に注意したり、指を挟むリスクを減らす工夫を。

3. 適切なストレッチと運動:指や手を柔軟性を保つことで、怪我のリスクを軽減。

骨折後のリハビリと回復

固定治療後のリハビリは、指の機能、特に可動域を取り戻すために非常に重要です。

適切なエクササイズを行い、関節の動きや筋力を回復させましょう!

まとめ

手指骨の骨折は適切な診断と治療を受けることで、通常は完全に回復することができます!

万が一、骨折が疑われる場合は、早めに整形外科を受診し、適切な処置を受けることが大切!

骨折や手の怪我に関するご相談は、当院までお気軽にお問い合わせください!