こんにちは!SBC整形外科クリニックの沼倉です。
今回はみなさんが気になるテーマである、「年齢とともに身長が縮む原因」について、整形外科医が丁寧に解説していきます!
身長が縮むのは“加齢”だけじゃない?よくある原因とは
「昔より身長が低くなった気がする…」
「おばあちゃんの腰が曲がって、ぐっと小さく見えるようになった」
こうした現象には、実は明確な原因があります。
① 背骨の圧迫骨折
転倒などがなくても、気づかないうちに背骨が潰れてしまう「いつの間にか骨折」。
これにより身長が縮む人が非常に多く見られます。
② 椎間板のつぶれ(加齢性変化)
背骨のクッションである“椎間板”が年齢とともに潰れて薄くなり、背骨全体が低くなるため、身長が縮む要因になります。
【原因①】“いつの間にか骨折”で気づかぬうちに身長が縮む
圧迫骨折になると、背骨が前方から潰れてい来ます。
大きなケガや転倒がなくても起こるため、多くの人が「気づかないうちに骨折」してしまっています。
実際、腰が前に曲がった高齢者の多くは、実はこの圧迫骨折が原因なんですね。
背骨の前側が潰れると、姿勢が前かがみになり、結果的に「実際の身長よりも縮んで見える」状態になります。
【原因②】椎間板の劣化と姿勢の崩れ
加齢とともに背骨の間にある椎間板が潰れ、骨と骨の間が狭くなることで、見た目にも身長が縮んでいきます。
椅子よりも床での生活が長かった方、姿勢が崩れやすい習慣があった方は、特に背骨に負担がかかりやすく、徐々に前かがみの姿勢になっていきます。
女性に多い“ホルモン由来の骨密度低下”
特に女性は、閉経後のホルモンバランスの変化によって骨密度が急激に低下しやすくなります。
これが、圧迫骨折や骨粗鬆症による身長低下の原因の一つです。
男性に比べて、骨がもろくなるリスクが高いため、定期的な骨密度検査が重要です。
「身長が縮むかも」と思ったら骨密度チェックを
年に1回の健康診断に「骨密度測定」を追加しましょう。
骨密度の数値が低下しはじめたタイミングで、
- ビタミンD製剤
- カルシウム補助剤
- 骨吸収抑制薬
など、軽い治療からスタートすることができます。
実は重要!若い時期の骨の“貯金”で将来が変わる
骨密度のピークは20代前半までと言われています。
つまり、中学生・高校生の時期に丈夫な骨を作っておくことが、老後の“身長の縮みリスク”を大きく左右します。
「カップラーメンばかり食べてない?」
「外でちゃんと運動してる?」そんな小さな習慣が、未来の健康な“背骨”を守ります。
【姿勢×運動×栄養】が“骨を守って身長を保つ”三本柱
- 姿勢の見直し
→ 日常の前かがみ姿勢が背骨への負担に。座り方や寝る姿勢も見直しましょう。 - 適度な運動習慣
→ 骨は刺激を受けることで強くなります。水泳だけでなく、ウォーキングや軽い筋トレもおすすめ。 - 栄養のバランス
→ カルシウムやビタミンDを意識的に取り、骨が弱くなるスピードを緩やかに。
まとめ:身長が縮む前にできる予防医療を
「背中が曲がってきた」「身長が縮んできた」と気づいた時には、骨の変化がかなり進行している可能性があります。
今からでもできる対策はたくさんあります!たとえば・・・
- 健康診断で骨密度を測る
- 整形外科で骨のマーカーを採血で調べる
- 適切な栄養と運動習慣を意識する
- 若いうちから子どもの骨づくりをサポートする
骨の健康は、身長を守るカギにもなります。
気になる方は、ぜひ近くの整形外科クリニックへお気軽にご相談くださいね!
📌 これからも「骨と身長を守る情報」を発信中!
当クリニックでは、健康な姿勢・骨密度・身長低下の予防について、今後も発信していきます。
気になることがあれば、ぜひご相談ください。
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